LIDEN1
 スマホが普及し、「リチウムイオン電池」が多く使われるようになりました。
 リチウム電池はスマホ本体はもちろんのこと、携帯して使用する予備バッテリーなどにも使われておりますが、このリチウムイオン電池による事故なども増えています。
 今回、このリチウム電池の正しい知識や取り扱い方などをもう一度再確認の意味で特集していきたいと思います。
 なぜ、今回この「リチウムイオン電池」の取り扱いについて記事にしたかと言いますと、昨年以降この「リチウムイオン電池」による事故が多発しています。欠陥品などによる事故もありますが、取り扱いの知識不足による事故も多くなりました。この「リチウムイオン電池」ですが、普通の電池と同じだと思って取り扱っている人がほとんどだと思います。しかし、「リチウムイオン電池」というのは取り扱いの方法によっては大事故につながり、場合によっては命にかかわることもあります。少しでもこの「リチウムイオン電池」の事故を起こさないためにも、ぜひもう一度知識や取り扱い方法を再確認してください。

 今回はリチウムイオン電池そのものについて説明していきます。
LIDEN2


1.リチウムイオン電池のしくみ

 リチウムイオン電池とは簡単に言いますと、正極と負極との間でリチウムイオンを交換し、充電や放電を繰り返し行える電池となります。このリチウムイオンは電池の正極(+側)にリチウム含有の遷移金属複合酸化物を使用し、負極側(-側)に炭素物質を使用しています。
 このプラス側に使用されているリチウム含有の遷移金属複合酸化物はリチウムとその他の金属を混ぜ合わせた金属と思ってください。これに使われているリチウムですが、リチウム単体の金属は非常に危険な金属です。水分に触れると爆発を起こす金属です。リチウムイオン電池はこのリチウム金属がむき出しになっているわけではないので超危険ではないのですが、やはりイオンといっても「リチウム」ですので、取扱いによっては爆発する可能性も十分にあるわけです。


2.なぜ、通常使用している場合は安全なのか

 リチウムイオン電池には実はさまざまな制御の回路が組み込まれています。充電時や放電時の電圧の調整、充電時の過充電の防止回路などいろいろな保護回路が組み込まれており、高い制度で制御を行っているのです。この制御の回路ですが、技術的には非常に難しく、またこの回路を管理、製品化するには、高い管理能力や資金力が必要になります。つまり、リチウムイオン電池の製品は通常の製品よりもより高度の技術が必要となり、それをクリアしたのが製品化となっているのです。

 
KISOAKU

3.安全でないリチウム電池もある。

 上記でも記しましたが、リチウムイオン電池というのは非常に高度な技術で安全回路を組み込まなければなりません。しかし、最近ではスマホの普及などにより、安価なリチウム電池も製品として出回っています。特に中国製品が多くなってきました。しかし、安価なリチウム電池には実は保護回路などが組み込まれていないものも多数あります。通常の充放電などや過充電などの回路は一応簡単に組み込まれているものの、気温などの環境変化による保護回路などがまったくないものも多数あります。それらのリチウム電池などは、取扱いには十分に注意しなければならず、使用環境を誤ると事故につながる恐れもあります。


4.製品選びのポイントは
PSE1JET1
MDJAP


 では「予備バッテリー」のリチウムイオン電池はどんなポイントで選べばよいのでしょうか。

 まずは、日本製であることが重要です。日本製の場合は製品の安全に関する基準が厳しいため、それをクリアした製品のみ市場に出回っています。また、何かトラブルがあった場合はリコールと言う形で回収・交換も行います。安心面からも日本製を選んだほうが良いでしょう。
 
 次に、「保護回路付き」ときちんと記載された製品を使用してください。外国製の場合はこの「保護回路付き」と明記していない製品が沢山あります。それらの製品は非常に危険ですので注意しましょう。
 
 あとは、製造元と販売元の社名がきちんと明記されているものです。輸入ものには「販売元」だけの記載で「製造元」が記載されていないものがあります。製造元が記載されていることによって、製造側の責任もきちんと取っているという証となります。特にリチウムバッテリーの場合、事故が起こった場合はこの製造元の責任も大きなもので、製造元を明かすことによりきちんと対応するということになります。
 
 最後に、製品にきちんと「PSE」・「JET」マークがついていることです・「PSE」マークは法律をきちんと守って製造されたマークであり、「JET」マークは製造・輸入業者に関与していない「第三者」が製品の安全性を確認したマークです。このマークがあることにより、品質をクリアした製品だということになります。

 本日はここまでとなります、次回はリチウム電池の正しい使用方法について説明していきます。