YAMI

再掲載記事です。
 パソコンの周辺機器やデジタル機器の規格はいろいろと変化しています。その中でも「汎用性」などがある規格が標準化となりますが、中には多額の開発費を投じて規格を研究・製作したのはいいものの、世の中に受け入れなくなって、いつのまにか消え去られた規格があります。また、過去には一時的に中心的存在であった規格も、次世代の規格の登場により急速に消えてしまったものもあります。
 今回はそれらの幻と化した規格をご紹介していきます。


通信インターフェース SCSI規格 Ultra640・Ultra1280
U640

 昔は周辺機器の接続の中心的であったSCSI接続でしたが、現在ではほとんどUSBに変わり見られなくなりました。特にSCSI規格のUltra640・Ultra1280は開発が進められたものの、ケーブルの複雑化や対応となるケーブル長(SCSIの場合、使用できるケーブルの総延長が決まっていた)が短くなったため、Ultra640の仕様は公開されたものの、それに対応する機器類が生産されず、またUSBの爆発的な普及もあり、この規格はほとんど幻となってしましました。



音楽・映像 MIL CD
MILCD

 MIL CDはCD-EXTRAと似たようなものであり、セガのドリームキャスト専用の音楽+画像のCD規格であります。CD-EXTRAそのものも現在ではほぼ幻に近い存在ですが、その上を行くのがこの「MIL CD」です。
 CD-EXTRAはパソコンで再生すると、音楽と映像が楽しむことができ、現在でもこのCD-EXTRAをパソコンで再生するソフトもインターネット上で存在します。
 しかし「MIL CD」は当初はセガのドリームキャストで再生できるという規格でしたが、この「ドリームキャスト」というマイナーなところの縛りもあり、MIL CDを出すレコード会社はあまり存在しませんでした。また、この「MIL CD」は大きなセキュリティホールがあり、この「MIL CD」を使って海外の非常にアンダーグラウンドなCDがこの「MIL CD」で再生できてしまいました。そのため、セガでは急きょ「MIL CD」を再生できる機種の販売を終了し、現在ではこの「MIL CD」を再生できる機種は存在しません。


モニターRGB21ピン
RGB21CC

 1990年代に高画質用としてパソコンの次世代コネクタとして使われていたものです。当時はパソコンの接続に使われた他、各ゲーム機器(スーパーファミコンやメガドライブ、ネオジオ、セガサターンなど)もこの規格でのモニター接続を採用していました。しかし、モニター本体の高画質化に伴い、HDMI接続やS端子・D端子接続などが出てきました。当時のビデオデッキなどのモニター周辺のAV機器やチューナー付きのテレビなどがこの次世代の接続を取り入れたため、RGB21のピンの需要がなくなりました。現在はテレビの液晶化+デジタル化にともない、アナログは不要となってしまったため、ほぼ「幻」となってしまいました。


2インチフロッピー
2INCHFDD

 フロッピーの規格と言えば3.5インチですが、ちょっと古い人は5インチや8インチのフロッピーも取り扱ったことがあると思います。
 しかしフロッピーには「2インチ」というものが存在していました。これはパソコン用ではなく、デジタルスチルビデオカメラ用のフロッピーです。デジタルスチルビデオカメラはビデオカメラではなく、静止画を取るカメラで、現在の「デジカメ」の前身とも言えます。当時はこの2インチフロッピーを「ビデオフロッピーディスク」とも呼んでいました。
 また、SONYの一部のワープロもこのフロッピーを採用していました。
 しかし、デジカメの大幅な進歩や、ワープロ時代からパソコン時代へと変化していくにつれて、このフロッピーも「幻」に近い状態となっています。
 しかし、現在でも「デジタルスチルビデオカメラ」を愛好するユーザーが一部おり、非常に貴重なものとなっております。


デスクトップパソコン マザーボード規格「BTXマザー」
BTX

 現在のデスクトップパソコンの規格の主流が「ATX」と呼ばれる配置ですが、この規格の後継として、インテル社が新たに「BTXマザー」という規格を発表しました。
 「BTXマザー」は当時ATX規格で問題となっていた「発熱」を抑えるための規格で、この「BTX」の配置にすると、空気の流れがよくなり効率よく放熱できるといことから、当時注目を集めていました。
 しかし、CPUのデュアルコア化やファンの改善など、ATXでもこの発熱問題を解決できるようになり、またパソコンのケースもBTXの仕様として新たに設計・デザインを行わなければならないことから、各社は現在の「ATX」の規格をそのまま維持していきました。結局、インテル社もこの「BTX」マザーは主流にならないと判断し、BTXのマザーボードは生産中止になります。
 一部、自作パソコンのユーザーはこの「BTX」マザーを一部使用している人もいるかもしれませんが、主要メーカーのパソコンは現在「BTX」規格のパソコンを販売しているところはありません。


携帯端末PDA Morphy One
Morphy

 この「Morphy One」は幻中の幻といっても良いでしょう。なぜかと言うと、国内で世に出なかった話題の「PDA」端末です。世に出なかったども話題になりました。
 なぜ話題になったかと言うと、この機種を作るのに資金を端末の予約代として「公募」で集めたものの、資金繰りが悪化し、会社そのものが「破産」してしまったからです。そのため、公募でお金を投資したユーザーから「金返せ!」などの罵声などがあり、非常に波乱に満ちたことで有名になってしまいました。
 途中で公表した試作品もOSがかろうじて立ち上がるものの全く使えない状態だったりということから、計画性そのものに無理があった機種とも言えます。