ランサムウェアの代表格であった「WannaCry」の被害が世界中で広り、ファイルを暗号化させて使い物にならなくなるという恐怖に、みなさんも怯えていたと思います。現在はセキュリティの強化などから被害が当初発生したときよりも少なくなりましたが、「WannaCry」の件の記事を投稿するにあたって、そういえば昔日本でも同様のウイルスがあったことをふと思い出しました。
「WannaCry」はみなさんもご存知の通り、ランサムウェアでパソコンのファイルを暗号化し使い物にならなくさせ身代金を要求するといったウイルスですが、ランサムウェアに似たもので、パソコンのファイルを暗号化?させてパソコンを使えなくするウイルスが、実は昔日本国内でも大流行しました。
イカタコウイルスというウイルスです。
このウイルスは「原田ウイルス」と呼ばれるウイルスの一種であります。「原田ウイルス」はウイルスファイルが実行したときに原田と名乗る人物画像が出てくるウイルスであり、「原田さん」が作ったウイルスではありません。(一説よると、ウイルスを作った犯人の知人とか..)
この「原田ウイルス」はファイル共有ソフトであるWinnyやShareなどP2Pから感染されるウイルスであり、その中でもこの「イカタコウイルス」は一番破壊力がありました。
最初の「原田ウイルス」はウイルスに感染すると、ファイルを削除したり、ドキュメントの中の写真データをネット上にばらまくといったウイルスでした。この「原田ウイルス」の初期のバージョンの被害によって、とても人にはみせられない画像(個人的なムフフ画像や動画)が流出して被害にあった人もいます。
今回の「原田ウイルス」の一種である「イカタコウイルス」は正式名称「TROJ_TACO」で別名タコイカウイルスとも言われています。2010年に発見され、当時被害に遭った人は大勢いました。
この「イカタコウイルス」はP2P上でアニメの動画ファイルなどに見せかけたファイル名を付けており、ユーザーがP2Pを介してダウンロード・実行すると、パソコン上の動画再生ソフトからダミーの動画を再生し、それと同時にウイルスが発動、パソコンの中身のファイルをバックグラウンドで消去し、その消去した同じファイル名で画像ファイルをハードディスクにコピーするといった実に悪質なウイルスでした。
今回の「WannaCry」はファイルを暗号化させますが、「イカタコウイルス」はすべてファイルを画像ファイルに置き換えてしまい、結果としては両方とも「パソコンが使えなくなる」といった結果になります。
この「イカタコウイルス」の名前の由来はその置き換えらえたファイルの画像が「イカ」や「タコ」になることから付けられましたが、その他にも「ウニ、モグラ」など17種類の画像があるそうです。
このウイルスを作成した人は逮捕され実刑を受けましたが、ウイルスは今でも健在なようです。
やはり怪しいファイルはクリックしない方が一番よさそうです。
コメント
コメント一覧 (1)
本物のイカやタコの写真になるのかと思ってた…