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 Microsoftは27日、「Windows 10 November Update(バージョン 1511)」に対するセキュリティ更新プログラムの提供を、10月10日で終了することを明らかにしました。
 「Windows 10 November Update(バージョン 1511)」は2015年11月に提供となりましたが、なぜそんなに早くサポートを打ち切るのでしょうか。Windows10の場合、今までのOSのサポート体制が違うことにあります。
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 今までのWindowsの場合、製品としてサポートを受けられる「メインサポート」の期間があり、そのサポート期間が終了すると「延長サポート」という期間に入ります。
 メインサポートの期間はOSの不具合や機能の修正なども含むサポートが行われます。XP時代にあったSP1やSP3などの修正プログラムはこの、メインサポート内の期間に提供されます。メインサポートの期間が終了すると延長サポートに入ります。延長サポートはOSの脆弱性やセキュリティホールに対する修正など、最小限のサポートとなり、新しい機能の提供などは行われません。これは、延長サポートになっている場合、MicrosoftではそのOSがすでに機能的に安定している状態であり、完成されたものとして取り扱われます。そのため、セキュリティ関連の修正のみとなります。
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 この延長サポートが終了すると、OSとして「古い」ということになり、すべてのサポートが打ち切りになり、新しいOSに移行しなければなりません。

 今までのWindowsの場合、このようなサイクルのサポートでしたが、Windows10の場合は異なります。

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 Windows10の場合、Microsoftでは最終のOSとして取り扱っており、今後のOSの新規開発は行わないということです。Windows10は通常のOSとは異なり、「製品」として販売するのではなく、「常に最新のサービスを提供する」といったコンセプトであり、今までのWindowsとは違い、毎月品質の向上を行うためのアップデートや年数回の大型アップデートで最新の技術を提供するという、「進化し続けるOS」として提供されています。
 そのため、同じWndows10でも、大型更新の適用によって全く別のOSとなっていきます。

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 Windows10の場合、最新の大型アップデートが提供となる条件として、直近の最新2バージョンのアップデートを行っていることが条件となります。それ以前のバージョンの場合は「サポート外」として取り扱われてしまいます。
 大型更新がリリースされて4か月が経過すると、Microsoftでは最新のWindows10製品として取り扱います。直近の最新2バージョンのWindows10の場合、通常60日間の猶予期間が与えられ、その間に最新のOSにする必要がWindows10を使用する上での「条件」と」なっています。

 つまり、Windows10の場合、今までのOSとは違い常に「最新」にしなければならないことになります。
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 なぜ、今までのOSとは違いWindows10は「強引」な方法をとっているのでしょうか?
 それはWidnowsXP時代の苦い経験があるからです。WindowsXPはみなさんも御存じの通り完成されたOSで世界中でも一番使われたOSと言えます。その反面、あまりも安定性があったため、それ以降のOS(Windows VistaやWidnows 7)を投入しても移行するユーザーが少なく、WindowXPの延長サポートが終了してやっと最新に近いOSへ世界中移行したということがあります。

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 Windows10をリリースした時に、Windows7以降のユーザーなどは1年間無料アップグレードを行うことができました。これは先ほども記したとおり、Window10の場合「製品」ではなく「サービスを提供」としてのOSであるということで、Windows10を使用するユーザーは常に最新のサービスを受け取らなければならないことになります。

 今回秋に控えている大型更新もこんなことでWindows10ユーザーは必ず適用しなければならないということです。