現在、中国は巨大なファイアウォール(Great Firewall of China)を通じて、厳しいインターネットの検閲を行っています。そのため、日本のようにネットーワークに繋いで世界中の記事などを閲覧しようとしても、記事の内容により中国に対して不利益な情報がある場合は閲覧できないようになっています。


先日も他のITニュースなどでも報じられましたが、検索に「くまのプーさん」と入力すると、検索結果が閲覧できないというのがありました。これは中国の国家主席が「くまのプーさん」に似ていて、国家主席のあだ名と判断して検索結果が閲覧できないということです。
また、中国版のツイッターである「ウェイポー」などもよく耳にしますが、中国の場合「ツイッター」が国家にとって不利益な情報を提供するとして、使用を禁じております。そのため、中国国内では似たサービスとして「ウェイポー」が存在するのです。
中国国内で海外の情報を見たり、各種データのやりとりをする場合は今までは仮想プライベートネットワーク(VPN)を使用して行うことができました。VPNを構築すると中国の巨大ファイアウォールの外のネットワークとなるため、インターネットの検閲外となり、世界中のインたーネットと接続できるようになります。
VPNのサービスは有料のものや無料のものさまざまなものがあり、簡単に接続できるようにApp Storeをはじめインターネット上に接続アプリ提供されていました。

しかし、今年初めに中国国内で規制が強化され、国内すべてのVPNサービスと専用線事業者は中国政府からサービスのライセンス許可を受けることが義務付けられました。
これに従っていないVPN業者は違法として一斉この取り締まりに遭いました。この取り締まりは中国の国家情報技術省によって開始され、中国のインターネット接続の「クリーンアップ」と呼ばれています。
今回、AppleはVPNのアプリを削除することについては正式にコメントをしていませんが、おそらく中国政府からの強い圧力があったと考えられます。それによってVPNのアプリの削除を決断したのだろうと思います。

中国は巨大国家であり、世界での中心的な存在を目指していますが、今回の話題で分かることは、やはり中国は「社会主義国家」でることが言えます。
今現在は世界的に経済でも牽引しているように見えますが、その反面、このような規制強化を行うことによって世界からの孤立を自ら選択し、歩み始めているとも言えます。ビジネスはやはり「情報」が命となりますが、その情報が正しいものが伝わらない場合、中国の経済は衰退していくのではないのでしょうか。中国は世界と反する国家戦略が間違いだったと気付いた時にはもう遅く、中国が「孤立」して逆に世界に溶け込めない日がくるかもしれません。
現在、世界は中国に頼っている経済を行っています。しかし中国は「自由があってない国」であり、国家の存続のためにさらに中国国民や企業などから「自由」をじわじわと奪おうとしています。
今後の中国のインターネットやITに関する動きについては注意深く見なければならない時期にきています。
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