古いパソコンを処分する場合、そのパソコンを破棄するか、人に譲るか、オークションなどに出すかといったいろいろな方法があります。その時に行わなければならないのが、今まで使っていたハードディスクの中身の消去です。この消去方法について理解をしないと、個人情報が流出する可能性があります。今回はきちんとこのハードディスクのデータ消去について理解しましょう。
1.Windowsのごみ箱から削除したデータは消えていない。
Windowsのごみ箱に不要ファイルを捨てて、「ごみ箱を空にする」という作業を行うと、データは消えハードディスクの容量が増えます。一見データが完全に削除されたように見えますが、実はデータはしっかりと残っているのです。これは、「ごみ箱を空にする」を行うと、ファイルの管理領域に「このファイルは削除されました」といった情報のフラグを立てているだけです。つまり、ファイルの管理領域の情報とデータはしっかりと残っているのです。「ハードディスクの空き容量」は管理領域を基に容量計算を行っているだけで、実際のデータは消えていないことになります。
2.ハードディスクのフォーマットはデータが消去されていない。
ハードディスクを初期化する場合、「フォーマット」を使用しますが、実はこの「フォーマット」は完全にデータを消去していません。
簡単に言うと「見た目」だけ消えているようにしているのです。
もう少し詳しく説明しましょう。
Windowsでハードディスクのフォーマットを行う場合、「クイックフォーマット」と「通常のフォーマット」があります。フォーマットの場合、データがどの場所に保存されているかというハードディスク上の情報領域(郵便局でいう番地の情報)を消去します。「クイックフォーマット」は情報領域を消すだけのフォーマットで、「通常のフォーマット」は情報領域を消す他にディスクにエラーがないかどうかチェックを行っています。
もっと簡単に例えると、「クイックフォーマット」は番地の情報を消すだけ、「通常のフォーマット」は番地を消す+空き家の状態をチェックするといった感じです。
つまり、「フォーマット」はあくまでも情報領域を削除しているだけで、実際のデータはきちんと残っているのです。つまり、そのデータを復元しようとすれば復元できるということになります。
3.完全データ消去を行うにはどうしたら良いのか。
上記のように、ごみ箱から削除してもハードディスクをフォーマットを行っても、データの痕跡が残っているとすれば、パソコンを他人に渡したり、オークションに出品した場合、自分の情報が漏えいする可能性があります。パソコンでエロサイトをみてムフフな動画などを保存していた場合、専用ツールを使って復元され、相手にばれるる可能性もあります。完全にデータを削除するにはどうしたら良いのでしょうか。
ハードディスクの完全データを消去するツールもフリーソフトで多く出回っています。しかし、きちんとWindowsの標準のコマンドで感染消去するものがあります。
「cipher」というコマンドです。
コマンドプロンプトを管理者権限で実行し、
C:>cipher /w:×: (×は、消去するハードディスクのドライブ)と入力します。
このコマンドはハードディスク上に3回データを上書きします。
1回目は0x00というデータ
2回目は0xFFというデータ
3回目は乱数を書き込みます。
これを行うことによって、ハードディスクのデータはすべて消去されます。
ただし、この操作はすべてのセクタに3回データを上書きされるため、非常に時間がかかります。(ハードディスクの容量によっては1日以上かかります。)そのかわり、完全にデータを上書きされるため、情報が漏えいされません。
このように、パソコンやハードディスクを他人に渡す場合は完全にデータ消去を行ってください。
なお、明日から当分の間更新頻度を少なくします。コロナウィルスの影響でIT業界の動きもストップしております。情報が少なくなっているため、ご理解下さるよう申し上げます。
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