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 現在の医療機関はさまざまなコンピュータシステムで動いています。その中で海外からちょっとした恐ろしい話題が出てきました。
 病気の発見するために欠かせないのが、「CT」(Computed Tomography)ですが、このCTがマルウェアによって患者への放射線レベルを変えてしまうことが出来てしまう可能性があるということです。この問題は非常に恐ろしいことで、現在はこの事件が起こってはいないものの、十分注意が必要だということだそうです。
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 このことが言われるようになった発端は昨年5月のWannaCryサイバー攻撃です。この攻撃については世界中で大混乱を起こしました。当然被害にあった企業も多くありましたが、中でも医療関係が攻撃に対し、大きなダメージがあったということです。
 医療に使われる機器類は皆さんも分かっている通りとても高額なものです。そのため、それらを制御するOSがいまだにWindowsXPをベースとしたものがまだ世界中で何千台という単位で使用されているとのことです。

 また、これらの医療に使われえるOSは通常のOSとは違い、専用のプログラムで組み込まれているため、これらのOSの管理については機器類を開発したメーカーやシステムベンダーに依存しなければなりません。OSのアップデートとなると通常のパソコンのアップデートとは違い、とても大きな費用が発生します。そのため、現在でもWindowsXPをベースとした機器を使用している医療関係が数多く存在しています。

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 現在はWindows7以降が主流となり、WindowsXPを対象とした攻撃が少なくなっているように見えますが、実は逆に増加しているという指摘もあります。そのほとんどがこのような医療関係をターゲットにした攻撃だといわれています。

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 過去に起きたアメリカのシェフィールドの病院で800台のPCを含む世界各地の病院に感染させたマルウェアの攻撃から約10年が経過していますが、依然としてWindowsの脆弱性を標的としたワームは医療機関に対しての攻撃先リストに載っているとのことです。

 特に、医療関係は人間の命に関わる機器が多く、昨年のようにWannaCryサイバー攻撃で身代金を要求した場合、すぐに身代金を支払う確立が他の企業と比べ高くなるとのことです。そのため、昨年起こったランサムウェアの攻撃だけでなく、デバイス制御のウイルスを感染させて身代金を要求するといったことも事実として起こる可能性が十分にありえるということになります。

 昔と違い、現在はコンピュータを使った制御が当たり前のように使用されています。今回の病院の例はほんの一例であり、その他の業種・分野にも多くの危険性があります。セキュリティに関してはしっかりとしたものにしなければ、いけないのは分かりますが、これらのウイルスを作成・配布している元の根絶についても取り締まりの強化や技術を確立してもらいたいと思います。