SSD1

 今年に入り、FlashやSSDなど記憶メモリの価格が下落しております。消費者としてはありがたいことですが、その一方で製造業者は悲鳴を上げています。昨年は今後のメモリ市場は高騰すると予想されていましたが、その予想とは反して逆に下落に転じています。何が起きているのでしょうか?

GURAHU

(この画像はあくまでもイメージです。)

 価格は需要と供給のバランスによって決まりますが、今年に入り 需要<供給 というバランスになっています。
 その原因は?
 通常であればスマホやタブレットの市場拡大、またハードディスクからSSDへの交換、USBメモリやSDカードなどの使用シーンなどを考えれば、需要はますます上がるため価格は上がると誰もが予想していました。当然世の中の流れから考えれば、容量の大容量化も求められ、それに伴い価格は1ビット当たりの価格は下がるものの、1製品の価格は上がるのは当然だと思います。
 しかし、それよりも大きな要因があったのです。

 仮想通貨です。特にビットコインです。
BITCO

 どうやらビットコインの相場とSSDの価格は連動しているようで、ビットコインの価格が上がればSSDの価格も比例して上昇します。一方、ビットコインの価格が下がればSSDの価格も下がる傾向にあるようです。特にビットコインでも「中国」のビットコインが影響を与えているようです。
 ビットコインが価格上昇しているときに、特に中国国民がマイニング、いわゆる「採掘」を行い始めました。そのためメモリ関連の需要が多くなり、価格が高騰しました。当然、ビットコインの価格も日に日に上昇していきました。
 このまま仮想通貨は上昇傾向にあると誰もが予想していましたが、今年に入り、あることがきっかけで大きな転換点を迎えてしまいます。
 中国政府がビットコイン・マイニングに対して締め出しを行っていることです。中国政府は今年に入り、ビットコインの採掘業者に対する規制を導入ました。事実上、ビットコインの採掘事業からの撤退を指示しているものになります。この内容は税制上の優遇の廃止や、電力消費量の制限の導入などで、事業の継続が出来なくしている規制となります。

 これは昨年10月に行われた中国共産党全国代表大会において、2期目を迎えた習近平が2020年までに手掛ける3つの重要課題(汚染防止、金融リスク防止、貧困脱出)の内容によるもので、この重要課題に沿った規制だということです。
 特に仮想通貨を行うことによって、共産党にとっては厄介となる金融リスクが発生するということで、そのリスクは「資金の移動」や「隠し金」などです。
 それを恐れている中国共産党は中国国内の仮想通貨の両替所も現在禁止しています。

 これらの理由により、中国国内のビットコインの過熱が一気に冷め、ビットコインの価格の下落になってしまい、同時にメモリ関連の価格も下落しています。
 また同時に世界中でもこの仮想通貨に対する考えも変わってきており、現在仮想通貨に関しては規制強化されております。
 それにより、SSDなどの需要が少なくなり、供給が多くなってしまったわけです。
WD

 記憶媒体で有名なWestern Digital社は今年に入り、驚くほどの収益低下で悩まされています。その原因がこのFlashの価格下落によるものです。この原因により、今年に入ってクアラルンプールの製造施設を閉鎖しております。それでも供給されていない在庫は多く、これを消化するには約四半期かかるといっております。また、Western Digitalだけでなく他のドライブ会社も同様に在庫を抱えており、またWestern Digital同様、驚くほどの収益低下で頭を悩まされているようです。

 ユーザーにとってはドライブ関連の価格は下がることは良いことですが、その裏には製造会社にとっては現在非常に危険な情勢になっているということでした。