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 今回も中古デジタル機器でかしこい見分け方の続きとなります。今回は中古グラフィックボード(GPU)の見分け方をご紹介します。
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 最近仮想通貨の「マイニング」などにより、グラフィックボードの需要が高まってきております。そのため、性能をアップさせるために新しいグラフィックボードを購入する人が多くなり、グラフィックボードの中古市場も昔に比べて多くなりました。グラフィックボードを購入したいと考えている人は中古市場を選ぶのも良いかもしれません。今回は良いグラフィックボードを購入するための見極め方をご紹介します。

1.グラフィックボードの耐用年数-昔に比べて丈夫になり、気にすることはない。
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 まずはグラフィックボードの耐用年数についてですが、昔はGPUにも耐用年数があり、古いGPUは購入してはならないと言われていましたが、現在のGPUは丈夫になり、メーカーの発表しているGPUの耐用年数よりも数年単位で使用できるようになっています。そのため、昔のように耐用年数を考慮する必要はないと思っても良いと思います。

2.考慮するのはドライバソフトの提供-最新のドライバソフトが提供されているかどうか

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 耐用年数は考慮しなくても良いと書きましたが、逆に考慮しなければならないのがドライバソフトが最新のものが提供されているかどうかということです。
 Windowsを使用している場合、特にWindows10の場合はドライバソフトが最新かどうかということが重要になります。古いドライバをインストールしていると、半期の大型アップデートや月1回の定例アップデートのときに不具合が起き、更新できなくなります。更新できなくなるだけでは良いのですが、場合によってはOSを起動できない、ブルースクリーンになるといった最悪の状態になることもあります。Windows10の場合は特にグラフィック周辺のドライバが最新のものであるかどうかということが重要になりますので、トラブルを避けるためにも最新のドライバソフトが提供されているかどうか確認しましょう。

3.状態が良いかどうか自分の目で見てチェック-パソコンの時と同じコンデンサをチェック

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 GPUはマザーボードと同じく相当負荷がかかっております。気を付けなければならないのがコンデンサが膨らんでいないかどうかをチェックすることです。GPUの中心であるプロセッサーは高熱を出すため冷却機能(ファンや放熱板)が存在します。しかしそれと同時に高熱にある部分がコンデンサです。このコンデンサが膨らんでいると故障の原因となります。必ず目で見て確認しましょう。

4.インターフェースをチェック-パソコン接続側とモニター接続側
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 使用するインターフェースは必ず確認しましょう。パソコン側に挿す規格はPCIなのかPCI Expressなのかどうか。PCI ExpressでもPCI Express x1なのかPCI Express x4なのかPCI Express x8,PCI Express x16かどうか。パソコンによってはPCI Express x1のみの対応のものもあれば、PCI Express x16まで搭載しているパソコンもあります。
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 また、差し込みブラケットも標準なのか、ローブラケットなのかどうか、出力側はVGAのみかDVI端子なのかHDMIなのか、それによってモニターが対応しているかどうかとなります。必ず現在使用している環境を確認しましょう。

5.同時にボードの大きさのチェック-差し込みスペースを確認
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 結構失敗するのがグラフィックボードの大きさです。規格はOK、最新のドライバソフトも提供しているということで、いざ購入し搭載しようとすると、ボードの大きさや厚みが大きくパソコンの中に入らないといったケースです。パソコンの中にギリギリ入るといったこともありますが、「放熱スペース」というものも考慮しなければなりません。上記でも記したとおりグラフィックボードは高熱を発します。そのため、放熱が必要となりパソコンの外に熱を逃がしてやらなければなりません。入るのは良いが、パソコンの内部が熱くなるというのは一番最悪の状態です。そういう状態で使用するとグラフィックボードだけでなくマザーボードやCPUの破損の原因にもなります。必ず放熱スペースも確保できる大きさのものを選びましょう。

6.消費電力を確認ー全体の消費電力が電源ユニットの最大出力範囲内に収まるか
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 パソコンには「電源ユニット」が付いています。電源ユニットごとにパソコンで使用できる最大の消費電力が決まっており、電源ユニットについているプレートに表記されています。
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 この最大の消費電力にパソコン内部の消費電力が収まっているかどうか確認しなければなりません。
 これを計算するにはすべての消費電力を計算しなければなりません。
 各機器の概算の消費電力は次の通りです。
 
 ハードディスク 20W/1台
 SSD 10W/1台
 光学ドライブ 30W/1台
 メモリ 5W/1枚
 冷却ファン 5W/1個
 マザーボード 50W(ただし、マザーボードによって大きく違ってくる可能性あり、詳しくはメーカーサイトで確認)
 CPU 現在使用しているCPUの型番をGoogleなどで検索し、TDP値を確認。このTDP値に1.5を掛けた数値が使用電力
 余裕係数 電源ユニット×0.4(余裕係数とは後にパーツを取り付けるためのワット数。通常は30~50%を取る)
 これにGPUの使用電力を足してください。

 この計算した数値が電源ユニットの最大消費電力内で収まっておればOKです。電源ユニットの最大消費電力よりも多くなった場合、電源ユニットを交換するか消費電力の少ないGPUを選ばなければなりません。
 
 電源ユニットの最大消費電力よりも多く電力を消費するとどうなるのか...
 使用している途中で予告もなく電源が落ちます。どこで落ちるかわかりません。再起動になります。俗にいう「KP41病」です。
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 これはWindowsのイベントビュアーのログに「ソース: Kernel-Power、イベントID: 41」という重大エラーとして記されていることから「KP41病」と言われ、俗にいう「電源不足」というエラーになります。このエラーは突発的・不定期で発生するため、一種の爆弾エラーとも呼ばれています。こうならないように、消費電力を確認も確認しましょう。


 グラフィックボードのスペックについては今回は特に記しません。使用環境や用途によって最適のスペックはどれかというのが違ってきます。また、技術が向上しているため、単なる数値だけでは比較できなくなってきています。実際の評価はレビューなどを参考にした方が良いと思います。