SSD1
 最近SSDの容量が上がり、値段が下がってきたことにより、ハードデイスクからSSDへ交換する人が増えています。しかしハードディスクからSSDへクローンを行ったが起動しないといったトラブルがあります。その原因はいくつか考えられますので、今回その主な原因をまとめてみたいと思います。

 まずは、起動しないといった場合に、まず考えてしまうのが「壊れてしまった」といったものです。しかし、新品を購入してすぐに壊れることはありません。現在のSSDは昔のものと違い、丈夫になっています。少しくらいでは壊れません。起動しないというのは何らかの原因があると思ってください。
 その原因を下記にまとめてみましたので、この原因に当てはまる場合は対策を行ってもう一度クローン操作を実行してみてください。

1.BIOSで起動順序が間違っている。
BIOS001


 これは初歩的な問題ですが、結構この原因で起動しない場合があります。まずはSSDがBIOS上に認識されているか、また、SSDに起動順序が上位にあるか確認してください。

2.BIOSでSSDのブートモードが違っている。
BIOS002

 ハードディスクをクローンした場合、元のハードディスクの起動方法がBIOSからの起動の場合はSSDのブートモードを「Legacy」にしなければなりません。また、ハードディスクがUEFI起動で行っていた場合はSSDのブートモードを「UEFI」に設定してください。

3.UEFI起動であった場合、SSD側に「EFIシステム領域」がコピーされているかどうか。
DISK001

 Windows8/10の場合、起動方法がUEFI起動になっている場合が多いですが、UEFI起動の場合、ディスク側に「EFIシステム領域」を持たなければなりません。

 この「EFIシステム領域」は他のドライブと違った独立領域を持っていなければなりません。容量は数100MBと小さい領域ですが、UEFI起動を行うに当たってとても重要な領域となります。UEFI起動の場合、まずこの「EFIシステム領域」にアクセスします。この領域にはGPT形式で初期化されたディスクのパーティションにインストールされている全てのOSのブートローダーなどや、起動時にファームウェアが使用するデバイスドライバ、OSが起動する前に実行されるシステムユーティリティプログラム、エラーログなどの重要なデータファイルが含まれています。
 そのため、この「EFIシステム領域」がない場合はどこにシステム領域があるかなどの情報や、起動時のファイルそのものが読み込めないため起動しないことになります。

 クローン時によくやってしまうのが、この「EFIシステム領域」をクローンしないで、単にCドライブやDドライブなどをクローンしてしまうといったケースです。その場合、SSD側に「EFIシステム領域」が存在しないため、起動できません
  
4.クローン元のハードディスクとクローン先のSSDのフォーマット形態が違っている。

 ディスクのフォーマット形態はGPT形式とMBR形式があります。GPT形式は「UEFI起動」でのディスクのパーティーションを分割できるフォーマット、従来のBIOS起動だと「MBR」形式で、GPT形式は使用できません。必ずクローン元のハードディスクとクローン先のSSDのフォーマット形態を合わせてください。


5.クローン操作を行う場合、USBデバイスを介してコピー先のSSDを認識させている。

 ディスクのクローンツールの場合、どのクローンツールもシステムディスクをコピーする場合、USBを介してのクローンは推奨しておりません。クローン後起動する保証がないからです。これはUSBを介してクローンを行った場合。起動するプログラムの位置情報などがクローン元と変わってしまうからです。クローンツールでは必ずIDE/SATA/M.2/PCIeポート経由でコンピュータに接続することを推奨しています。


6.システムディスクのブート領域が壊れている。

 まれにですが、クローンを行ってシステムディスクのブート領域が壊れてしまう場合があります。その場合はインストールメディアからコンピュータを起動し、コマンドプロンプトで次のコマンドを実行してから、PCを再起動します。

bootrec /fixmbr

bootrec /fixboot

bootrec /scanos

bootrec /rebuildbcd
 

7.UEFI起動のディスクをクローンするとき、「セキュアブート」が有効になっていた。

セキュア ブートとは、セキュリティ機能でパソコンの製造元から信頼されるソフトウェアのみを使って 起動されるようにするものです。この「セキュアブート」が有効になっている場合、クローンツールによってはうまくコピーできない場合もあるようです。クローンを行う場合、UEFI起動のセキュアブートを無効にしてから起動し、その状態でクローン操作を行ってください。