InternetExplorer
 Microsoftの主力のブラウザであるインターネットエクスプローラー(IE)のサポート終了が徐々に近づいています。最終バージョンはバージョン11で、これ以降の開発は行っておりません。
 今回、Windowsの歴史とともに長年使われてきたインターネットエクスプローラー(以下IEと記載)の過去の歴史をまとめてみました。
IE1 
 初代であるIEバージョン1が登場したのは1995年に公開されました。実は、この初代バージョンは当時のOSであるWindows95に最初から付属していたわけではありません。この当時はブラウザと言えばほとんどの人がネットスケープと使用していました。このIEバージョン1はWindows95の機能向上のソフトをまとめた「Plus! for Windows95」の中に含まれていました。「Plus! for ~~」はMicrosoft Plus!と呼ばれるWindowsの機能を付加、拡張するソフトウェアであり、システムツールの拡張、及びデスクトップアクセサリなどの補助的な機能をまとめたツールとなります。
MSPLUS

 この「Plus! for Windows95」、配布方法は現在当たり前のように使用しているネットからの提供ではありません。この当時はインターネットという存在は未知なるもので、ほとんどの人がインターネットというものを体験したことがなかった時代です。そのため、CD-ROM版、フロッピーディスク版で提供されており、しかもWindows95の場合、PC/AT互換機用とPC-9800シリーズと分かれていたため、計4パッケージが発売されていました。
 IEバージョン1は現在のように段組やテーブル要素に対応していないため、表示はメモ帳のようなテキストの表記と画質が荒い画像しか表示することしができませんでした。また、ページの背景は灰色しか表示されず、また、日本語に対応していなかったため、使用するユーザーはほとんどいなかったのが現状でした。後のIE1の改良版であるIE1.5(1996年5月公開)で簡単なテーブル要素に対応となります。

IE2
 IEバージョン 2は1995年11月に公開され、この時、初めて日本語版を含む他言語版が提供されました。また暗号化通信であるSSL2.0や現在Web上で使用されているCookieの機能が実装されました。また、読み込み限定のネットニュースクライアント機能も装備されました。ただし、ネットニュースクライアントは日本語対応になっていませんでした。

IE3
 Microsoftはブラウザのシェアを拡大させようと、次のバージョン開発に100人の開発者を3か月の間に投入させ、IEバージョン3が1996年8月に公開となりました。部分的ではありますが、ブラウザとしては初めてCSS1に対応させることができました。また、ブラウザの機能を高めるためにActiveX コントロールやJavaアプレットなどにも対応させることができました。が、後にこのActiveX コントロールやJavaアプレットがセキュリティ上で脆弱部分がいろいろと出てくることになり、後にMicrosoftがこの対応にずーーっと苦しめられることになります。また、通信技術であるHTTP/1.1プロトコルに対応した最初のIEのバージョンでもあります。しかし、これだけ開発者を投入しても全体的なシェアがまだまだネットスケープが上位を占めており、IEに乗り換える人が少ない状況でした。Microsoftは次のバージョンで「禁じ手」を使うことになります。

IE4
 IEバージョン4は1997年9月に公開されました。このIEバージョン4を次のOSである「Windows98」に強制的に標準装備させてしましました。これによって強力に市場シェア拡大することができましたが、この統合は多くの批判を受け、裁判の原因にもなりました。このOSの統合により、今まではブラウザソフトが単体で動作していたものが、がっちりOS上に組み込まれたため、IEが不調になるとOSも不調になるといった感じで、OSトラブルの原因の一つにもなっていました。
 また、このIEバージョン4でグループ ポリシーでの構成にも対応できるようになります。また、メール機能であるInternet Mail and Newsは新たにOutlook Expressに置き換えられました。同時に初めてHTML 4.01に対応し、レイアウトであるCSS1に完全対応しました。現在ではごくごく一般的である「白地の背景に黒文字」のデフォルトスタイルを初めて採用し、今までの灰色の背景がなくなりました。しかし、このIEバージョン4は不具合が多く、同年12月に不具合を修正したIE4.01が公開されました。

IE5
 IEバージョン5は1999年3月に公開され、この頃はすでにブラウザのシェアはIEが独占状態になっていました。同年12月にマイナーアップデートでIE5.01をリリースしバグの修正や暗号強度の強化、ウィンドウ再利用などの機能を備えております。後継であるIE 5.5は2000年7月に公開され、印刷プレビュー機能を搭載しCSS2の対応強化やXSLTの対応、縦書き表示、背景色でグラデーションに対応するなどの機能追加となり、現在使用しているブラウザの機能に近づいてきました。このバージョンは動作安定性には比較的優れておりました。しかし、このIE 5.5、Web開発者にとっては「悲惨」というか「苦労」というか、とても嫌なバージョンとなっております。
 この当時、chromeなどの新たなブラウザが出現しWebの「標準化」が進んでいたものの、このIE5.5、CSSやXSLTの対応は非常にずさんであったため、標準に従ったページの作成を行った場合に表示の不具合が多発し、レイアウトがめちゃくちゃになるといった状況で、ウェブ製作現場を混乱に陥れておりました。また、セキュリティホールの多さとそれに対応するMicrosoftの対応の遅さもこの時期に表面化しております。IPv6への対応も、このIE5.5から行われるようになりました。しかし、実際には、WindowsのDNSクライアントサービスの仕様によって、ネットワークの動作環境によってはIPv6で使用できないことが多く、IPv6でインターネットにアクセスするには、URLにIPv6のIPアドレスを直接記述するといった方法で使用可能となりました。

IE6
 IE6は2001年8月にリリースされました。IEとしては、DHTMLの拡張、CSS2の対応強化、DOM Level 2とSMIL 2.0への部分的な対応、内容制限されたインラインフレーム、JavaScriptによる独自のマウスポインタ指定にも対応し、また、エラー報告、自動画像サイズ変更などの新機能も盛りだくさんでリリースされました。しかしながら、肝心のXHTMLやIDNに未対応であり、CSS2の対応もまだ不十分であったため、IE5.5同様、Web開発者から嫌煙されるブラウザとなり、この当時Web開発者が一番嫌だったのが「IE6にも対応してください」というリクエストだったそうです。そのため、Web開発者は対応に苦慮するため、「対応ブラウザはIE以外」というのが多くなり、これによって徐々にこのバージョンからIEのブラウザのシェアが減少することになります。

IE7
 シェアを取り戻そうとIE 7は2006年10月にリリースされ、新しい目玉として現在当たり前になっている「タブブラウジング」という機能を導入しました。しかしすでに」この「タブブラウジング」はFirefoxで使用されていたことから、ユーザーからは「今までタブブラウジングを使用出来なかった方がおかしい」と言われ、また、既に他のブラウザでは標準的でありIEのみが未対応であったPNGのアルファ合成もやっと対応することができたことから、IE7の機能はどれも後発状態になってしまったバージョンとなりました。

IE8
 IE8は2009年3月にリリースされ、ここでやっとWebの標準化にきちんと取り組んだブラウザとなりました。今まではほとんどIEのシェアが独占状態だったため、Web標準化と言われても「聞く耳もたず」でしたが、ここにきてchromeの登場やFirefoxの猛攻撃によってIEの立場が逆転し、また、以前の
IEバージョン4で記載したOSの組み込みの裁判問題、この時期に判決が下り、、欧州連合はMicrosoftに対し、Windowsにブラウザを組み込む行為は欧州の法律違反にあたる可能性があるとの判断を下しております。このことから、このIE8でWindowsと分離した個別のソフトウェアとなり、アンインストールが可能になりました。これによってやっとIEは他のブラウザど同様の標準化となった道を一緒に進むことになります。

IE9
 IE9は日本以外では2011年3月に公開されました。しかし日本ではこのリリース時期に大きな災害が起こっております。そうです東日本大震災です。そのため、日本でのリリースは1か月遅らせ、4月に公開されました。IE9はIE8でのウェブ標準準拠の流れを踏襲しHTML5やCSS3といった新しいウェブ標準の一部や、カラーマネージメントやJPEG XRなどのグラフィックス標準に対応します。また、ゲームなどの操作性を向上させるため、GPUやマルチコアを活用したパフォーマンスの向上も行われております。また、ユーザーインターフェイスはサイト表示を中心としたデザインに一新されました。


ie10
 IE10は2012年8月公開され、この当時に発売されたOSであるWindows 8に対応させるため、Windows UI(Modern UI)版と従来のデスクトップ版の2つがリリースされ、以前のWindowsに従来のデスクトップ版が提供されました。IE10はパフォーマンスの向上や、IE9よりもより多くのウェブ標準への対応が行われております。また、OSがWindows 8 と Windows RTの場合、Adobe Flash Playerが統合されますまた。トラッキング防止(Do Not Track)が標準で有効になりました。

IE11

 最終バージョンであるIE11は2013年10月に公開されました。Microsoftはこれ以降のIEのバージョン開発は終了と宣言しており、これ以降Microsoftは新たなブラウザであるEdgeに移行を進めています。WebGL、HTML5 メディア要素の拡張と保護メディアの対応、SPDY、JavaScriptオブジェクトモデル拡張等の機能が追加されたましたが、これ以上の大きな変化はなく、現在はMicrosoftはchromiumベースの新ブラウザであるEdgeに開発の力を注いでおります。


 いかがでしたでしょうか。簡単ながらIEの歴史を振り返ってみました。IEは色々と問題があったものの、少なからずインターネットの楽しみを皆さんに与えてくれたブラウザで、ネットを体験するきっかけを作ってくれたのではないのでしょうか。このIEがあったからこそ、Windowsの登場により急速にインターネットの技術が向上し、また、インターネットが身近になったと思います。このようなことからブラウザの歴史上で欠かせない存在になったことは間違いないと思います。