Firefox
 先週初めにFirefoxの開発に関する重大なニュースが飛び込んできました。当初フェイクニュースかもしれない可能性もあったため情報を収集していましたが、どうやら本当のようで、今回この記事をお知らせします。
 ウェブブラウザFirefoxの開発元であるMozillaが中心核となる開発してきたブラウザ用レンダリングエンジンを他の団体に引き継ぐというのです。その引継ぎ先はLinux FoundationというLinuxの標準化や成長をサポートする非営利の技術コンソーシアム団体です。

 ブラウザ用レンダリングエンジンとは簡単に言うとブラウザを動かすブログラムであり、このレンダリングエンジンによってブラウザの性能が左右されます。先日の記事でMicrosoftのEdgeの記事を記載しましたが、現在Windows10バージョン20H2のEdgeやGoogleのchromeは「Chromium」というレンダリングエンジンを使用しています。Windows10バージョン20H2以前のEdgeにはEdge HTMLという独自のレンダリングエンジンを使用していましたが、パフォーマンスなどが悪かったため、Microsoftは独自のレンダリングエンジンの開発をあきらめ、ChromiumエンジンのEdgeに大きく変更したわけです。

 今回話題となったレンダリングエンジンは「Servo」と呼ばれるレンダリングエンジンで、このエンジンはMozillaが今まで開発してきたレンダリングエンジンです。Firefoxは以前は「Gecko(ゲッコー)」と呼ばれるレンダリングエンジン(以下「エンジン」と省略)を使用していました。このエンジンは、NetscapeシリーズやSeaMonkeyが使用していました。しかし、パフォーマンスなどの問題から、新たにFirefoxブラウザとして「Firefox Quantum」という大規模なバージョンアップを行いました。しかし、この大きな変更によってFirefoxの非常に優れてあった点である旧来のアドオンが使用不可能となり、Firefoxの大きな特徴であった使用用途に合わせたカスタマイズ性が失われたことからユーザーから大きな反発を招き、ブラウザのシェアが急激に減少してきました。
 この現在のFirefoxが使用しているエンジン「Servo」はLinux、macOS、Windowsで動作するほか、SamsungによってAndroidおよびARMプロセッサへ移植されています。

 しかし、11月17日に突如Servoの公式ブログで、ServoがMozillaからLinux Foundationに引き継がれることになったと報告しております。
 そのGoogleでの翻訳内容がこちら


サーボの新しい家
2020年11月17日
サーボプロジェクトは、Linux財団との新しい家を見つけたことを発表することに興奮しています。サーボはMozillaの内部でインキュベートされ、CSSやレンダリングなどの重要なウェブコンポーネントがRustに実装され、安全性、同時実行性、スピードがすべて得られるという証拠として機能しました。今、サーボが巣を離れる時間です!

この動きはプロジェクトガバナンスの変更が伴います:Servoプロジェクトは、プロジェクトの将来を導くためにボードと技術的な運営委員会を獲得します(詳細についてはgithub.com/servo/project/参照)。

サーボの高レベルの目標は変わらず、他のアプリケーションに埋め込むための高性能で安全なレンダリングエンジンを提供します。これらの目標の方向性を提供し、より広いServoコミュニティがこの使命を進める有意義な貢献を行えるようにすることは、技術的運営委員会の責任です。

これらの変更の結果、サーボの未来に貢献することがこれまで以上に容易になりました。コードやドキュメントを書いたり、ナイトリーや問題をファイリングしたり、プロジェクトの新しいCIとホスティングコストをカバーするために寄付したりすることで、あらゆるビットが役立ちます。Servoプロジェクトをサポートしたい会社をご存知の方は、プロジェクトの将来をサポートする正式な会員プログラムを展開しますので、ご連絡ください。

また、サーボ・ズリップでの議論、ヘルプ、一般的な会話のための新しい家もあります。私たちは、そこにあなたを見て、私たちの新しい家であなたと埋め込み可能なWebレンダリングエンジンの未来を構築することを楽しみにしています!

 この背景には以前に記事で記したFirefoxの従業員の大量解雇が原因のようです。

記事リンク:【敗北?】Mozillaの従業員が大量解雇【再編】
http://blog.livedoor.jp/zeropasoakita/archives/35792883.html

 これらから分かる通り、Mozillaは新型コロナウイルスのパンデミックによる収益への影響から相当財政的困難に直面していることが分かります。
 「Servo」エンジンがMozillaからLinux Foundationに移行しても当分技術協力でFirefoxの開発は進められますが、長い期間で見た場合に「Firefox」というブラウザへの影響は大きなものとなります。現在、主力世界中での主力ブラウザはGoogle chromeですが、第2番目のシェアとしてChromiumエンジンのEdgeが大きく伸ばしているのが現状です。その多くがどうやらGoogle chromeから乗り換えたのではなく、Microsoftの旧ブラウザである「インターネットエクスプローラー」や今回のFirefoxから乗り換えた人が多いのが事実となっています。また、ChromiumエンジンのEdgeはLinux版への移植を進めており、このブラウザが安定化すれば、ますますFirefoxのシェアは新たな大きな一手を行わない限り減少に歯止めがかからないのは事実かもしれません。