この問題はさまざまな要因によって起こるため、一つずつ解決していくことをお勧めします。

1.エクスプローラーのキャッシュをクリアする

　原因の1つとしてあるのが、ファイルエクスプローラーのキャッシュの破損です。ChromeなどのWebブラウザーと同じように、ファイルエクスプローラーはキャッシュを維持して、頻繁にアクセスされるデータの読み込みを高速化します。ただし、このキャッシュが破損していると、右クリック操作中に不安定になり、クラッシュする可能性があります。このキャッシュをクリアする方法は次のとおりです。

　キャッシュ削除後はクイックアクセスで頻繁に使用されるフォルダーとファイルのリストがリセットされることに注意してください。また、キャッシュが削除されるため、動作が一時的に遅くなる場合があります。もし、この方法を行って一時的によくなっても、再びクラッシュが再び発生する場合は、他の解決策を検討してください。

2.コンテキストメニューを復元するためのレジストリ編集

　右クリックで表示されるコンテキストメニューを従来のものに戻すとことで、ファイルエクスプローラーのクラッシュが解決できる場合があります。
　Windows 11は、ユーザーインターフェイスを簡素化するように設計されており、凝縮された「その他のオプションを表示」というコンテキストメニューが導入されました。しかし、この変更によって、コンテキストメニューに項目を追加するサードパーティソフトウェアの干渉の問題によりクラッシュを引き起こすようです。そのため、元にもどすことによって解決できる場合があります。方法は次のとおりです。

reg.exe add "HKCU\Software\Classes\CLSID\{86ca1aa0-34aa-4e8b-a509-50c905bae2a2}\InprocServer32" /f /ve

　このコマンドを実行することで、新しいコンテキスト メニューを使用せず、従来のコンテキストメニューを使用することになります。このレジストリ編集を適用したら、デスクトップの右クリック機能をテストして、安定しているかどうかを確認します。

　もし、現在の新しいコンテキストメニューに戻す場合は次のコマンドを入力します。

reg delete "HKCU\Software\Classes\CLSID\{86ca1aa0-34aa-4e8b-a509-50c905bae2a2}\InprocServer32" /f

3.Explorer Patcherを使用の場合の原因

　Explorer Patcherを使って外観（スタートメニュー）を旧Windows(Windows10などのスタイル）にカスタマイズしたユーザーは、これらの変更に関連するファイルエクスプローラーのクラッシュに遭遇する可能性があります。Explorer Patcherの場合、互換性がない可能性のあるWindows 11の定期更新後に、システムが不安定になる可能性があります。

　クラッシュが発生し、Explorer Patcherがインストールされている場合は、Explorer Patcherを一時的に無効にして、クラッシュの問題が解決するかどうかをテストします。システムが安定した場合は、パッチャーが問題の原因である可能性があります。

　無効にしても問題が解決しない場合は、Explorer Patcherを完全にアンインストールします。
アンインストール後、コンピュータを再起動し、右クリック機能をもう一度テストします。Explorer がクラッシュしなくなった場合は、Explorer Patcherが原因として特定されています。

　Explorer Patcherが問題の原因であることがわかった場合は、開発者からのアップデートに注意して、新しいバージョンがリリースされたら再導入してください。

4.クリーンブートを実行して競合するソフトウェアを特定する

　バックグラウンドで実行されているサードパーティのアプリケーションまたはサービスがクラッシュを引き起こしているかどうかを特定します。クリーン ブートは、最小限のドライバーとスタートアップ プログラムのセットで Windows を起動する機能です。Windows11でクリーンブートを実行する方法は次のとおりです。

　再起動すると、コンピュータはクリーンブート環境になります。この状態で、デスクトップを右クリックしてみてください。クラッシュが発生しない場合は、1つ以上のバックグラウンドアプリケーションが原因である可能性が高いことを示唆しています。その後、サービスとスタートアップ プログラムを 1 つずつ有効にし、変更のたびにコンピューターを再起動して、競合の原因となっているソフトウェアを特定してください。

　問題のあるアプリケーションが見つかったら、最新バージョンに更新したり、設定を再構成したり、アンインストールしてファイルエクスプローラーのクラッシュの問題を解決してください。
　問題解決後システム構成ユーティリティですべてのサービスとスタートアップ項目を再度有効にして、コンピュータを通常の起動に戻すを忘れないでください。

5.セーフモードでも右クリックでWindows11がクラッシュする場合

　セーフモードで操作している場合でも、デスクトップを右クリックするとWindowsエクスプローラーがクラッシュし続ける場合は、オペレーティングシステム内セーフモードで問題が発生する場合は、システムファイルまたはハードウェアドライバ自体に問題がある可能性があります。

　セーフモードでクラッシュが発生する場合の対処方法は次のとおりです。

　1.システムファイルチェッカーの実行

　システムファイルチェッカー(SFC)で、破損したWindowsシステムファイルをスキャンして復元します。SFCを実行するには次の通りです

　2.DISMを使用してWindowsイメージを修復する

　SFCでも問題を解決できない場合、またはWindowsイメージファイルの修復が必要な場合はDISMコマンドを使用します。方法は次の通りです。

　3.障害のあるハードウェアのチェック

　上記でクラッシュの問題が修正されない場合は、ハードウェアに障害がある可能性があります。RAMの誤動作、CPUの過負荷、またはハードドライブの問題により、エクスプローラーのクラッシュなど、システムが不安定になる可能性があります。Windows メモリ診断やその他のハードウェア テスト ツールを使用して、ハードウェア コンポーネントにエラーがないかチェックできます。

　これらの手順を試した後、通常の再起動を実行し、問題が解決したかどうかを確認します。クラッシュが続く場合は、問題がより深刻である可能性があり、システムの復元、Windowsの再インストール、または潜在的なハードウェア障害を診断するための専門的な方法が必要になります。