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 2016年6月20日、世界のスパコンランキングが発表され、中国のスパコン「神威太湖之光」が1位となり、日本製の「京」は5位となったようです。
 今回のスパコンランキングは処理速度の速さを競うもので、処理速度だけは1位だそうです。処理速度だけは..。
 実際、この中国のスパコン「神威太湖之光」はどんなものなのでしょうか?
 
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 中国ではスパコンの開発に力を入れています。なんでも「1位」にならなければ気が済まない中国ですから、スパコンの処理速度も「1位」を取ったようです。
 しかし、性能はどうかというと、とても実用できるようなものではないことが分かりました。
 まずは、メモリの性能がひ弱いということです。日本の「京」よりもメモリの実装が少なく、また、使用しているメモリもDDR4ではなくDDR3を使用しているということです。
 また、CPUのキャッシュも2KBの命令キャッシュと64KBのローカルスクラッチパッド合計68KBしかありません。
 使用されているLinuxをベースとした独自のOS「Sunway Raise OS」で、対応できるソフトは限られ、ほとんどソースコードから開発しなければいけません。
 さらに、一番の問題なのは「実用運用コスト」です。
 
 日本の「京」は現在、化学技術や気象、医療など多岐にわたって使用されており、研究などに貢献していますが、この中国のスパコンは運用コストが高いため、作ったのはいいけれど「使用されない」、いや「使用できない」かもしれません。運用コストが高い、ソフトが使えない(1からプログラムを組まなければいけない)のであれば、ユーザはいくら早いスパコンでも使用しないでしょう。

 今回の中国の「スパコン」は中国の国の「強引さ」がよく表れた「スパコン」だったと思います。日本の「京」の場合、実際の開発後の運用を考えていましたが、今回の中国のスパコンは「開発した・後の使用用途は使う人の自己責任でお願いします」といったのが良くわかる「製品」でした。

 ちなみに、日本の「京」は処理速度は第5位ですが、昨年の計算速度だけでなく、アルゴリズムやプログラムを含めた総合的な能力が求められる、ビックデータの処理ランキング「Graph500」で総合1位を獲得してるそうです。また、スパコンの省エネランキングでは理化学研究所にあるスパコン「菖蒲」・「青睡蓮」・「睡蓮」が世界1位~3位を独占しており、日本の技術は「総合性・実用性」で力を発揮しています。