android

 トレンドマイクロ社は6月21日、Android端末をroot化し、不なアプリをインストールしてしまう「マルウェア」といわれるソフトが出回っていると発表がありました。
 このマルウェアは「Godless」と言われ、Andoroid5.1以前のOSが標的とされており、全端末の90%近くが標的の対象となっているそうです。

GooglePlay

 このマルウェアが入っているアプリはGoogle playでも見つかっており、懐中電灯やツールなどのユーティリティアプリやWi-Fiアプリ、人気ゲームもどきのアプリなどに仕込まれていることが確認されました。
 このマルウェアに感染されると、Androidの脆弱性を突いて端末をroot化し、密かに変なアプリケーションをインストールさせます。
 今回のマルウェアは、アプリケーションに不正な機能を取得する機能だけ実装しているため、Google playでのセキュリティーチェックでも通ってしまいます。
 また、普通のアプリケーションの悪質バージョンも出回っており、アプリケーションの開発者証明書も元のアプリケーションの証明書を使用しているため、知らないうちに「アプリケーションの更新」によって悪質なアプリケーションがインストールされる可能性があります。
root1
 root化とはどんなことでしょうか。

 通常、スマホやタブレットの場合、AndoroidのOSのシステムの中核部分を守るため、通常はシステムの中核を触る権限がありません。root化はその権限を取得し、システムの中核を触れるようにすることです。
 いわゆる、Windowsでユーザー権限とアドミニストレータ権限の違いと思った方がよいでしょう。
 iphoneではroot化することを「脱獄」と呼んでいるそうです。

  root化のメリットとデメリット
 root化には当然メリットもあり、デメリットもあります。
 root化することによって出来ることは、

 ・メーカーでプリインストールされている不要なアプリを削除することが出来ます。
 ・アプリを古いバージョンに戻したり、ゲームデーターも自由にバックアップ・復元する事も可能となります。
 ・ゲームアプリを専用ツールを使って改造できます。
 ・Android OS以外のOSのインストールが出来ます。


 などといったことです。その反面大きなデメリットもあります。

 ・メーカーやショップでのサポートや保証が受けられなくなります。
 ・Google Playから入手したソフトはほとんど動かなくなります。
 ・銀行や証券会社などのアプリやカードアプリ・お財布携帯のアプリが使用できなくなります。
 ・システム内部が丸見えになるため、ハッカーからの攻撃を受けやすくなります。また、ウイルスに感染しやすくなります。
 ・端末の動作は不安定になります。
 ・一番怖いのはroot化に失敗すると、端末が壊れ二度と使えなくなります。(俗に言う「文鎮化」)
 ・一度root化にすると、二度と工場出荷の状態に戻せません。root化後、システムが不安定なっての再インストルが出来なくなります。(端末内部のROM内の工場出荷時のイメージ。データファイルが無くなります。)

上記の通り、メリットよりも後のデメリットの方が大きいため、Android端末各社やAppleではroot化を認めてはおりません。むしろセキュリティの面を考え、root化の排除を各メーカは図っています。

 端末がroot化なっているかチェックするには?

 Google Playに「root checker」というアプリがあります。それを使って確認することができます。

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.joeykrim.rootcheck&hl=ja

(root checker)

起動後、下の画面が出てきますので、赤枠の部分をタップします。

rcmain

 タップした後、下のようにバッテリーのマークに「X」印がついていれば、端末がroot化なっていないことになります。

rcnon



 端末をroot化されてしまうと、後の使用やサポートなどに支障がでます。ぜひ、今回のマルウェアには十分注意しましょう。