
今でも超危険なコンピュータウイルスですが、その歴史は古くパソコンの発展とともに色々な種類が増えてきました。
MS-DOS時代にもウイルスがありました。今とは違い、MS-DOS時代のパソコンにはアンチウイルスソフトは常駐しておらず(というか技術的に常駐は無理でした。)、ウイルスにかかったら終わりといったこともしばしばありました。MS-DOS当時にパソコンに携わった人はコンピュータウイルスの情報があると、いかにウイルスに感染しないようにいろいろな対策を行ったを思い出すかもしれません。ウイルスの感染画面を見なくて済んだ人が多いと思いますが、逆に、感染するとどんな画面になっていたのか気になる人も結構いたのではないのでしょうか。私もその一人でした。しかし実際感染させるわけにもいかず、またインターネットもあまり普及していなかったので、感染された画面はうわさでしか聞くことができませんでした。
その当時のウイルスを再現したサイトがありましたので、ご紹介しましょう。

The Malware Museumというサイトです。
このサイトは米Internet Archiveが、1980年代から1990年代にかけて出現したマルウェアを集めたサイトで、現在78のマルウェアと1本の動画が公開されています。
The Malware Museumは下記リンクとなります。
https://archive.org/details/malwaremuseum
このサイトはMS-DOS時代に流行したマルウェアをブラウザ上で再現することが出来ます。また、16bitのDOSエミュレータ「DOSBox」を使用してパソコン上でも再現できます。パソコン上での再現の場合、実際は感染することなく安全に楽しむことができます。
「DOSBox」のダウンロードはこちらからダウンロードできます。

https://sourceforge.net/projects/dosbox/

このサイトの中には昔猛威を振るった「Casino」も含まれていました。
「Casino」はスロットゲームをクリアしないとデータを消去するという悪質なマルウェアですが、このマルウェアも実際スロットを回して体験することができます。

今のマルウェアは「情報を盗む」のが多く、また、「金銭要求型」が主になっていますが、昔のマルウェアの主な目的はともかく「コンピュータを破壊する」・「パソコンを使わせない」といったことが目的でした。
このサイトを見てわかる通り昔のマルウェアは「派手」であり、視覚的にも凝っているものが多かったのが分かります。
視覚的な恐怖を与えることにより「破壊の怖さ」を植え付けさせているかのような感じです。
昔はインターネット上の感染が少なく、ほとんどフロッピーからの感染が主でした。また、破壊活動も「一気に行う」ものではなく「しわじわと破壊する」といったなんとも怖い手法を使っていたと思います。
昔のマルウェアは感染ルートは狭いものの、一回感染すると破壊力抜群といった感じです。
当然、今のマルウェアと昔のマルウェアの目的は大きく違ってきていますが、マルウェアはパソコンを取り巻く技術の進歩とともにマルウェアの活動も変化していったことがわかります。
これらのマルウェアを体験することによって今のコンピュータウイルスの歴史を知る良い機会となるかもしれませんね。
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