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 昔はサーバーのデータバックといえば「磁気テープ」というのが主流でした。しかしここ数年、ハードディスクの大容量化やSSDなどの普及によって磁気テープの優位性が失われ、徐々にこの保存方法が使用されなくなってきていました。しかしここ数年、すでに昔の保存方法であると言われていた「磁気テープ」へのデーターアップの方法が、保存の確実性などが高いということから急激に見直されており、再導入されている企業が増えています。なぜ今になってこの「磁気テープ」が見直されているのでしょうか?

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 磁気テープのバックアップは「面倒」「メリットがない」、「保存・復元に時間がかかる」といった理由から、「磁気テープの保存はもう古い」という風潮が流れ、システム評論家をはじめ、「無駄な保存方法」といったことまで言われていました。しかし、昨ここ最近急に「磁気テープの保存は重要」といった声も聞かれ、今この保存方法が見直されています。その理由を説明します。

1.コストの安さ

 磁気テープでの保存の場合、容量あたりの単価を比較すると、ハードディスクの10分の1と言われています。
 昔と違い、今ではサーバーが取り扱うデータの容量が膨大になっています。そのため、その大容量のデータをバックアップする場合、低コストで大容量を保存できる方法としてこの「磁気テープ」が見直されています。磁気テープの場合、1巻で220TBの容量を保存できます。
 一方、ハードディスクの場合1台で10TB、SSDだと1台16TBしか保存できません。大容量を低単価で保存するにはやはり「磁気テープ」が良いということになります。

2.確実な保存

 磁気テープはハードディスクと違い、「音」などのアナログ処理でデータを保存します。これが実は現在「確実な保存方法」として見直されています。

 一見「音」で保存するということは「確実な方法ではないのでは」と思うかもしれません。逆に「不確実」と思われても仕方がないでしょう。しかし、ある大きな災害をきっかけに、この方法がデータ復元ではハードディスクやメモリよりもデータ復元が可能になるといわれるようになりました。

 その大きな災害が、そうです。まだ記憶に残る

 2011年3月11日 東日本大震災です。

 この災害は今でも記憶にあると思います。私の住んでいるところも東北で、この災害は忘れることができません。
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 この災害で一番被害が大きかったのが「津波」です。この津波により、町・市の役所や事業所が水没し、データに多大なる被害がありました。しかし、「磁気テープ」に保存していたところは「データの普及」が完全ではないものの、一定のデータ普及が出来たそうです。
 ハードディスクやSSDの場合、一番弱いのは「水没」です。水没してしまうと、データ普及はほぼ出来ないと考えたほうが良いでしょう。
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 上の写真は水没したハードディスクです。一度水没してしまうと、「錆」が発生し、データの普及が難しくなります。普及するにあたっての費用も莫大になります。
 また、SSDの場合、水没した時何らかの状態で通電していると、データが消える可能性が大いにあります。そうなった場合、普及はほぼ無理となります。
 
 「磁気テープ」の場合、水没しても記憶している「音」が残っている限り、その音をコンピュータ上に一旦取り込み、音声ソフト等で復元し、別の磁気テープに再保存することでデータの普及を行うことができることになります。


 なぜ、この水没が今となってキーポイントとなっているのか。

 
 過去に起こった東日本大震災を体験した企業が、また再びこの「水没」について恐れている理由があります。そうです。今後30年以内に確実に起こると言われている「南海トラフ地震」です。
 南海トラフ地震予想は今回の東日本大震災のような連動地震が同様に起こると予想され、津波の高さの想定など見直されました。最新の予想は大都市はほぼ水没すると予想されています。
 また、地震の前に起こると言われている「スロースリップ」現象(普通の地震によるプレートのすべり(スリップ)よりもはるかに遅い速度で発生する滑り現象)が観測されており、前回の東日本大震災でもこのスロースリップ現象が観測された後、大災害が起こりました。
 もしこの南海トラフ地震が発生すれば、全国の企業の70%以上は被害に合うでしょう。

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 特に以前に起きた熊本地震の発生によって、今後の南海トラフ地震の発生確率が上がっています。30年以内の発生確率は60~70%の確率ともいわれています。

 今までは、このような大きな自然災害に対するデータバックアップの方法は考えられておらず、システムトラブルや停電などは起こった場合の復旧に対するバックアップ方法だけを考えておりました。いわゆる「最悪」の事態に備えるということを行っていなかったわけです。
 しかし、近年「自然災害」の猛威を我々は見ており、各企業などはこの「最悪の事態」を考えていかなければいけない事態となっています。
 その最後のデータバックアップの砦として各企業はこの「磁気テープ」の保存の方法をもう一度再検討し、一部の企業ではすでにこの「磁気テープ」のバックアップをすでに取り入れれています。

 また、この磁気テープのバックアップの件については災害だけでなく、障害時でも神速な普及をおこないことが出来たといった事例があります。
 2011年、グーグルのメールサービスである「Gmail」に大規模な障害が発生したことがあります。この時は多数のユーザーのメールが一部紛失するなどといった事例がありましたが、大規模な障害にもかかわらず、グーグルは短時間で復旧させることもでき、一部紛失されたデータもすべて迅速に普及することができました。この時、グーグルでは全データをテープストレージにバックアップしており、全データをすべて磁気テープから普及すっることで大規模障害の普及を短時間で行うことができました。
 このように大きな企業でもこの「磁気テープ」というのは最終手段として重要視されています。


 最新の磁気テープのビットエラーレートは、HDDの1万倍以上もの信頼度を誇っており、また長期間保存した場合の信頼性も高く、HDDの物理寿命が3〜5年に対し、適切な環境下で保管すればテープストレージの耐用年数は30年以上にもなります。
 現在は「LTOドライブ」で簡単に取り付けられます。ぜひ、システムやデータのバックアップ方法として企業のシステム担当者はこの「磁気テープ」を導入検討してみてください。事がおこってからはもう遅いです。