
本日は過去の記事からピックアップして再掲載いたします。
先日、私のところにパソコンが立ち上がらないという相談がありました。どんな使い方をしてその現象になったかいろいろと聞いてみると、レジストリークリーナーを行ったということでした。
レジストリークリーナーを行えばパソコンが快適になるというのを聞いて実行したみたいですが、このレジストリークリーナは実は危険な行為であり、現在のWindowsでは行う必要はないのです。その件について少し説明しましょう。

1.なぜ、「レジストリクリーナー」というソフトが出てきたのか
現在ではいろいろな所で耳にするようになった「レジストリクリーナー」ですが、なぜ、この「レジストリークリーナー」が開発されたのでしょうか。
Windows95が発売され、パソコンの使用する体系が大きく変わりました。それまではMS-DOSのようにコマンドをひとつひとつ入力し、アプリケーション専用のフロッピーを作成して使っていました。
しかし、Windows95が発売されると画面がGUI形式となり、手軽にクリックしてアプリケーションをインストールすることが出来、簡単になりました。
また、Windows95の大人気により体験ソフトなども多く出回るようになり、インストールしては削除をみなさんは繰り返していたと思います。
この時のWindowsの問題としてレジストリの肥大化がありました。現在とは違い、端末のスペックも現在のように高スペックではなく、メモリーの容量やハードディスクの容量も限られていました。そのため、レジストリの肥大化が進むと端末のパフォーマンスに大きく影響することになりました。
また、プログラムの開発も現在のように「レジストリの部分」を考慮にいれていないソフトも多く、アンインストールを行ってもレジストリに情報が残ることがあり、再びインストールを行おうとすると、前のレジストリが影響してインストールできないといった場面もよくありました。
そのため、その肥大化・不要項目のあるレジストリをスリム化しようとするために「レジストリクリーナー」というのが出てきたわけです。
現在のWindowsはプログラムのインストールやアンインストールは、インストーラーがきちんとレジストリの部分も自動的に操作するため、レジストリに情報が残ることがありません。

2.今のWindowsにはレジストリクリーナーは必要か
現在のWindowsは必要ありません。WindowsXP以降はレジストリは肥大化しないように改善されています。これは、OSが使用していないレジストリはファイルサイズを縮小して全体の肥大化を防いでいます。この件についてはMicrosoftでも公表しており、現在はレジストリのクリーナーを行っても全体のパフォーマンスには影響を及ぼしません。
Microsoftへのリンク
http://windows.microsoft.com/ja-JP/windows-vista/Are-registry-cleaners-necessary
また、現在の端末はCPUの処理速度の向上やコア数の増加、また、メモリの高容量化によって性能が高くなっています。ミリ秒単位での違いはあるものの、体感的にはパフォーマンスの向上は体感できないと思います。

3.レジストリクリーナーは逆に危険
現在のWindowsのレジストリ項目は複雑化しております。ドライバソフトはもちろんのこと、各種設定などを高速に行うため、レジストリを多用しています。そのため、間違って必要なレジストリを削除した場合、最初のようにOSが立ち上がらないといった状況になりかねません。また、レジストリを削除することによりアプリケーションのバグが発生する可能性があります。むやみやたらとレジストリクリーナーを使用するのはやめましょう。
レジストリクリーナーはそのレジストリの情報を読み取り、それを使用しているアプリケーションを探しだして、整合性を確認していきます。ただし、DLLなどの設定のレジストリなど個別で存在しているレジストリ項目もあります。それを削除すると、アプリケーションがDLLファイルなどを使用できなくなる可能性もありますので注意してください。
Windows8以降はOSは高速起動を採用しています。高速起動は現在使用しているメモリなどの内容をそのままハードディスクに保存し、次回の起動時にその情報をそのまま読み込んで起動させている仕組みです。WindowsXPの時のように設定を全部読んで起動する方法とは違います。ドライバ情報のレジストリなどを誤って削除した場合、XPの時は「不明なデバイス」などで認識していましたが、Windows8以降の場合OSが起動しないといったことになりますので注意が必要です。

4.変な「レジストリークリーナー」ソフトは要注意
現在、ウェブ上の広告などで「レジストリをスキャン」などといった広告があります。
これらのソフトをダウンロードして変になったという事例が多数あります。
ウェブ上の広告で「無料でスキャン」などと書いている場合、スキャンがしますが、その後の修復は有料といったケースがよくあります。また通常のソフトとは違い、広告が何度も出て広告が消せないといったトラブルもあります。中には環境設定などのOSの深い部分を勝手に変更する悪質なソフトもあります。最近ではマルウェアを仕込んでレジストリをスキャンするように見せかけ、実は情報を収集しているソフトもありますので、このようなソフトには絶対に手を出さないようにしましょう。
信頼あるソフトかどうかはシステムの動作そのものに関係しますので、必ずウェブ上での評価を確かめながら使用してください。
レジストリは最新の注意を払って操作しなければいけない部分です。いくら知識があってもレジストリを変にしてしまうケースがよくあります。ましてソフトでチェックを行って修復するというものは、信頼あるソフトでない限り非常に危険です。現在のWindowsはレジストリのチェックもきちんと行っております。むやみやたらと「レジストリークリーナー」を使用しないほうが良いと思います。
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