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 今回も過去の記事をもう一度掲載します。今回はパソコンを選ぶ上でこの記事のことは覚えておいたほうが良いだろうというもので再度掲載いたしました。
 最新の記憶媒体であるSSDですが、ハードディスクよりも高速アクセスで、最近では値段が下がってきていることもあり、導入を検討している人も多いのではないのでしょうか。しかし、SSDはハードディスクと似ていますが、全く違う記憶媒体であることを認識しなければなりません。今回はSSDの取り扱いについて簡単に説明していきます。
1.SSDの記憶方法
 SSDはハードディスクと違い、とてもシンプルな構造となっています。SSDとはSolid State Drive(ソリッド・ステート・ドライブ)の略で、直訳すると「固形状態のドライブ」となります。SSDはハードディスクとは違い、基盤と不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)だけで出来ています。
SSDの内部を見るとこんな感じです。
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 このように、SSDは「フラッシュドライブ」のお化けといった感じです。


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 一方、ハードディスクは機械式駆動構造になっており、「プラッタ」という記録用ディスク・読み書きを行うヘッド・それらを動かすモーターなど構成されています。

 フラッシュメモリには「酸化膜」というのがあり、それに電圧をかけて電子を閉じ込め季データを記憶する構造になっています。この「酸化膜」は普段は絶縁状態ですが、データを記録する場合、この「酸化膜」に電圧をかけて通電させて電子を保存させます。

 

2.SSDの耐久性と寿命

 SSDの寿命はこの「酸化膜」の寿命と言えます。データーの書き込みを行うにあたり何回も「酸化膜」に電圧をかけていくと、この「酸化膜」に格子欠陥と呼ばれる絶縁不良の箇所が発生し始めます。すると、格子欠陥のところは電子の保持ができないため、データの保持が出来なくなります。電子が逃げてしまいからです。この酸化膜の対応回数は数万回~数十万回と言われています。
 この格子欠陥が出てするとSSDの寿命となります。

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 また、最近では大容量になるにつれて、酸化膜が非常に小さくなっているため、先ほどの「格子欠陥」が発生しやすくなります。また、ハードディスクとは違い「電子での保存」となるため、保存領域が微細化になるにつれて、1か所の格子欠陥が出た場合、周りの酸化膜にも影響が及び、エラーのデータになってしまうといった問題も発生します。現在ではこの問題を改善していますが、まだ完全とはいっていないようです。
 


 SSDの書き込みはハードディスクと大きな違いがあります。ハードディスクの場合、新たにデータを書き込む場合は前の使用していない領域などに上書きしますが、SSDの場合は違います。
直接上書きできないため、前のデータを一旦消してから新たに書き込むといった具合になります。そのため、書き込む場合、ハードディスクとは違い、書き込む箇所に2回アクセスを行っていると考えた方が良いでしょう。

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 SSDの寿命は年数よりも「アクセス回数」によって決まります。これは、先ほども記した通り「酸化膜」の劣化によって決まります。回数で記しても分からないので、バイト数に換算すると、約700~1000TB分の書き込みを行った場合からエラー率が高くなると言われています。しかし、最近では2000TB分まで耐える製品も出てきています。


 
3.SSDのトラブル

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 SSDでのトラブルはハードディスクと違い、エラーが起こった場合は普及不可能(データ取り出しができない)と考えた方がいいでしょう。

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 ハードディスクの場合はエラーが起こっても修復ツールを使ってセクタの修復などを行えば、一部のデータの破損はあるものの、他のデータまで破損がおよびません。(ただし、物理的に衝撃を与えて、ハードディスクなどに傷をつけた場合が別ですが。)

 一方、SSDの場合は、記憶領域のチップが1つでも破損があった場合はアクセス不可能となります。先ほどのSSDの中身を見ての通り、フラッシュメモリがいくつもついています。このフラッシュメモリの1つでも内部で破損があった場合は読めないということになります。

 また、ハードディスクは壊れる前に何らかの前兆があります。異音がし始めたり、書き込みに時間がかかったりなど寿命かな?といった症状が出ますが、SSDの場合は前兆がない場合があります。ある日突然急にドライブが認識しないといったことがよくありますので気を付けてください。



4.SSDでやってはいけないこと
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 SSDの場合、通常のWindowsなどにある「デフラグ」を行ってはなりません。この「デフラグ」が寿命を縮める大きな原因となります。SSDの専用のデフラグソフトを使いましょう。
 使用時はSSDのドライブなどに動画などの大きなファイルの保存をなるべる行わないようにしましょう。これはSSDの耐久性でも記載した通り、ある一定以上の総容量の書き込みを行った場合にエラー率が高くなり、動画などの大容量のファイルを書き込んだ場合はその分寿命が縮まってしまいます。

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 SSDを壊す原因となる最悪なことは、はパソコンの電源を強制的に抜くというのは危険です。これはハードディスクも同じですが、特にSSDの場合は危険です。ハードディスクはアクセスランプで判断して最終的にはこの方法もとる場合もあるかもしれませんが、SSDの場合は電気的に書き込みを行っているため非常に危険です。

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 また似ているケースで怖いのは意図しない「瞬電」です。雷の落雷などでほんの一瞬電気が消える場合があります。これはSSDにとっては一番怖いことです。瞬電が起きてSSDが壊れた話はよく聞きますので注意しましょう。


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 設置の環境にも十分に注意しましょう。特に怖いのは、パソコン内の「ホコリ」です。この「ホコリ」は実は非常に危険です。吸排気の妨げで内部に熱を帯びやすくなるだけでなく、時によっては「帯電」を起こしてしまうのです。パソコンの対応年数以内でのハード的な故障の大半は実はこの「帯電」で起きているのです。この「帯電」により、場合によってはパソコン内部の心臓部分である「マザーボード」でさえでも故障させてしまう危険性があります。SSDも同様に故障させてしまう危険性がありますので十分注意しましょう。
  
 このようにSSDは実は取扱いが非常に難しい記録媒体と言えます。SSDの普及により、SSDは「完全である」といった変な神話で勘違いしている人も多いのではないのでしょか?
 大事なのは、やはり「バックアップ」です。ハードディスクなど他の記憶媒体と併用して使用し、大事なデーターはハードディスクなどに保存することをお勧めします。