
OSなどのインストールなどで現在の大事なデータをバックアップを行ったり、現在のハードディスクから容量の大きいハードディスクに交換する方法として、ハードディスクを丸ごとコピーする方法があります。
先日、バックアップソフトのご紹介もしましたが、この丸ごとバックアップしたハードディスクをつないた場合、そのハードディスクからOSが起動しないといった場合があります。今回はこの場合の解決方法をご紹介します。

バックアップソフトを利用してハードディスクをクローンのように丸ごとバックアップしたのにもかかわらず、OSが起動しないことがあります。これは、ハードディスクの起動の情報があるブートセクタのヘッダ値が元のハードディスクとコピーしたハードディスクが違うことが原因です。
このハードディスクのヘッダ値が違うと、パソコンのBIOS上ではきちんとハードディスクは認識していますが、いざ起動させようとすると「operation not found」などといった「OSが入っていません」というエラーメッセージが出ます。
この現象はWindows7などMFTフォーマットである場合によく起こる現象です。修復はツールを使ってコピーしたハードディスクのヘッダ値を元のハードディスクと同じヘッダ値に書き換える方法となります。
なお、この方法はハードディスクの内容を直接書き込む方法ですので、自身のない方は安易に行わないでください。
また、場合によってはハードディスクを破損させてしまうため、以下のことを必ず守ってください。
1.この記載された操作以外は絶対に行わないでください。
2.ハードディスク以外の記憶媒体(SSDなど)には使わないでください。
3.FAT32でのフォーマットにはこの操作はなるべく行わないようにしてください。ブートセクタを破損してしまう可能性があります。
4.Windows 8以上のGPTフォーマットのハードディスクにはこの操作は行わないでください。この操作方法は検証されていません。
5.この操作方法でトラブルが生じても自己責任でお願いいたします。
ここから先は実際の操作方法を説明します。
このツールは「dskprobe.exe」というツールで「Windows XP Service Pack 2 サポート ツール」の中に入っています。
Windows7で使用の場合はそのままでは使えませんので準備が必要です。
サポートツールをダウンロードする前に、フォルダを作成します。
c:\users\v-elgree\SupportTools
c:\users\v-elgree\Downloads
ユーザーの下に「v-elgree」を作成し、作成した「v-elgree」を開いて、「SupportTools」というフォルダと「Downloads」というフォルダを作成します。
作成したら下記のリンクからサポートツール「WindowsXP-KB838079-SupportTools-ENU.exe(English)」をダウンロードします。保存場所はこの作成した「Downloads」に保存します。
http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=18546
ダウンロードが終わりましたら、コマンドプロンプトを「管理者として実行」で開いて次のコマンドを上から順番に入力します。
c:\users\v-elgree\Downloads\WindowsXP-KB838079-SupportTools-ENU.exe /C /T:c:\users\v-elgree\SupportTools
c:\users\v-elgree\Downloads\expand c:\users\v-elgree\SupportTools\support.cab c:\users\v-elgree\SupportTools -F:DSK*
終わりましたら「SupportTools」を開きます。すると「dskprobe.cnt」「dskprobe.exe」「dskprobe.hlp」「dskprtrb.doc」というファイルが抽出されます。
「dskprobe.exe」を「管理者として実行」します。

まずは、元のハードディスクの状態を調べます。
「MENU」から「Drives」-「Physical Drive..」を選択します。「Open Physcal Drive」という画面がでますので、「Physical Drive0」(オリジナルHD)をダブルクリックします。
「Set Active」のボタンがアクティブとなりますので、それをクリックしてください。
「Drives」-「Volume Information..」を選択します。
「Current Volume Infomation」の画面で「Sectors/Track」の数値と「Tracks/Cylinder」の数値を確認し、「メモ1」としてメモします。
次に、「Sectors」-「Read」を選択します。そして、「Starting Secter」と「Number of Sectors」にそれぞれ先ほどの「メモ1」の「Sectors/Track」を入力し「Read」をクリックします。
次に、「View」-「NTFS BootSector」を選択し、「Sectors/Track」の数値と「Tracks/Cylinder」の数値を確認し、メモします。
次にコピー先であるクローンHDの状態を確認します。
「MENU」から「Drives」-「Physical Drive..」を選択します。「Open Physcal Drive」という画面がでますので、「Physical Drive1」(クローンHD)をダブルクリックします。
「Set Active」のボタンがアクティブとなるので、それをクリックしてください。
「Drives」-「Volume Information..」を選択します。

「Current Volume Infomation」の画面で「Sectors/Track」の数値と「Tracks/Cylinder」の数値を確認し、「メモ2」としてメモします。
ここで、メモ1の「Tracks/Cylinder」の数値とメモ2の「Tracks/Cylinder」の数値が違っているのが分かります。
次に、「Sectors」-「Read」を選択します。そして、「Starting Secter」と「Number of Sectors」にそれぞれ先ほどの「メモ2」の「Sectors/Track」を入力し「Read」をクリックします
ブートセクターの情報が表示され、Headsの数値が「メモ1」の「Tracks/Cylinder」の数値と違っているはずですので、この「メモ1」の「Tracks/Cylinder」を入力します。
「Sectors」-「 Write」を選択し、警告が表示されますので「OK」を押します。
これでたぶんうまくいくと思います。
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